EP-2

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雑貨店を出た私たちはお目当てのパンケーキを求めて、女性客でにぎわうカフェに入った。 凜はパンケーキを幸せそうな顔で口に運びながら、思い出したように言った。 「そう言えばさ。瑞月ちゃんの幼馴染の久保田君ね」 「諒ちゃん?」 「今年になって、わたしたちが同じクラスになった話はもう聞いた?瑞月ちゃん、彼にもわたしのこと、言ってあったんだね」 「うん。去年、同じ学校に入ったって聞いた時に教えてあったよ。だって、もしも二人が仲良くなったらいいなぁ、って思ったから」 すると凜は苦笑を浮かべた。 「あのねぇ。彼、色々と誤解してたみたいよ」 「何を?」 「わたしの名前がこんなだから、仕方ないとは思うけど。女だと思ってたみたい」 「……そう言えば、名前しか伝えてなかったかも」 「肝心なとこが抜けちゃったのね」 「だって、別にたいしたことじゃないでしょ?男だとか女だとか」 「それはそうなんだけど……」 「それで?仲良くできそうだった?」 すると凜は、やや複雑そうな顔をして私を見た。 「わたしは、仲良くしたいと思うんだけど……」 「うん?」 含みのある凜の言い方に私は首を傾げた。 「ま、いいわ。ところでこの後、本屋さんに寄りたいんだけど、瑞月ちゃんはどうする?」 「一緒に行く。私もほしい本があるんだ」 その後カフェを出た私たちは、そこからいちばん近い本屋へ足を向けた。並んで歩いていると、突然後ろから名前を呼ばれた。 驚いて振り返ったそこに、諒の姿を見つけて私は足を止めた。
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