EP-諒✽4

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「凛、手伝ってくれよ。すぐそこに車停めたんだ。瑞月の荷物を持って、そこまで一緒に来てくれないか」 「そうね。これは一人では大変だわね」 「着く頃にはさすがに起きるだろ」 俺はそう言いながら、凜に手伝ってもらって瑞月を背中に背負った。二人がかりで瑞月を車に乗せる。 「じゃ、瑞月ちゃんのこと、頼んだわよ」 「あぁ。じゃあ、またな」 俺は凜に軽く手を挙げると、車を出した。瑞月のマンションに向かって車を走らせながら考える。 瑞月も俺と同じように、今も学生時代と同じ部屋に住んでいる。彼女の部屋は三階で、エレベーターがない。瑞月が起きればいいけれど、もし、起きなかったら?または自力で歩けないほどの酔いっぷりだったら?俺は苦行を強いられることになるのか? そう考えたら気が滅入りそうになり、それならばと思いつく。初めからエレベーターのある俺の部屋に連れて行った方が早い。部屋も、予備の布団もある。なんなら瑞月は俺のベッドに寝かせて、俺が他の部屋で寝てもいい。 俺はそう決めて、瑞月の部屋に向かっていた車の行く先を、自分のマンションに変更した。 結局瑞月は目を覚まさなかった。 気持ちよさそうに寝ているようだし、起こすのもかわいそうかーー。 仕方ないと諦めた俺は、手伝ってくれる人がいない今、なんとか車から瑞月を降ろして抱きかかえた。自分たちの荷物は後回しだ。 瑞月は小柄だけれど、酔い潰れてくたりと寝てしまっているから、思った以上に重たく感じた。 やっぱりこっちにして正解だった。 俺はエレベーターの有り難みをひしひしと感じながら、瑞月を連れて乗り込んだ。
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