EP-諒✽4

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とりあえず、俺のベッドでいいか――。 あとひと息だ、と自分を励まして瑞月を寝室に運んだ。ようやくベッドにたどり着き、俺は彼女を横たえて毛布を掛けてやった。 目が覚めた時に驚かないようにと、ベッドサイドの小さな灯りだけをつけて、部屋の電気を消した。 「やれやれ」 ジャケットを脱ぎながらぼやいた時だ。 「ん……」 瑞月が寝返りを打った。 目を覚ますのかと思い、ベッドの端に腰かけて彼女の顔をそっと覗き込んでみた。 「寝てるな……」 俺は瑞月の寝顔に向かってつぶやいた。 「お前がこんな状態になったのは、例の彼氏のせいなのか」 俺は指先で瑞月の頬にそっと触れる。 すると、目を覚まさないと思っていたはずの瑞月が、急にぱちりと目を開いた。 俺は慌てて手を引いて、そっと彼女の顔を覗き込んだ。 「大丈夫か」 しかし、瑞月は俺の声には答えずむくりと体を起こし、いきなり俺の首に腕を絡めた。そのままぐいっと体重をかけて、俺を自分の体の上に引き倒す。 「おいっ、瑞月っ」 俺は慌てて体を起こそうとした。しかし、瑞月は思いのほか強い力で俺にしがみついて言った。 「キスして」 「なっ……!」 俺は絶句した。寝ぼけて勘違いしているのだと思った。 「俺はお前の彼氏じゃないぞ」 しかし、瑞月の耳に俺の言葉は届いていないようだった。 嫌々をするように首を振り、その腕に力を入れた瑞月は首を伸ばして、自分から俺にキスした。
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