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俺は抗った。酔っぱらった状態の、しかも俺を彼氏だと思い込んでいるらしい瑞月とキスするわけにはいかないと、彼女から離れようとした。それなのに、彼女のキスはあっという間に俺から理性を奪う。
こんなキス、いつの間に覚えたんだ――。
絡みつくような瑞月の濃厚なキスに、俺は体の芯が熱くなった。だめだと止める声が聞こえたにも関わらず、俺は自分の欲望に負けてしまった。
自分がこんなにも意志の弱い男だったなんてと呆れた。けれど、俺は自分の服を脱ぎ捨て、続いて瑞月の服に手をかけた。
さすがに抵抗するかと思ったのに、瑞月は自ら服を脱ぎ捨てて、その裸身を俺の前に晒した。
瑞月がこんなことをするようになるなんて――。
複雑な気持ちに揺れた。しかし、ずっと好きだった幼馴染の女の部分を目の当たりにして、俺は自分の想いをぶつけたい衝動に衝き動かされてしまった。その気持ちを抑えられなかった。
美しい肢体、可愛らしい息遣い、俺の体に絡みつく様、すべてが愛しかった。
一方で、彼女にこういうことを最初に教えたのが別の男だと思ったら、歯ぎしりしたくなるほど悔しかった。だから。
とことん優しく愛したいと思いながらも、彼女の体に俺の愛し方を刻み込んでやりたいと思った。凜が言うように、もし本当に恋人との関係がだめになっているとしたら、その男の痕跡などなくなってしまうほど激しく滅茶苦茶に抱きたいと、狂暴な思いすら抱いた。
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