EP-18

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諒は苦笑した。 「どうしてそんなことを言うのか分からないな。自覚がないってのは困るんだけど……。他の男の目から隠したいと思うくらい、お前は十分すぎるほど綺麗で美人だし、これ以上ないほど色っぽいよ。俺はお前がいいの。ずっとずっと好きだった瑞月がいいんだよ」 諒はそう言って私にキスをした。 「本当に?」 「本当に」 諒が頷く。 言いたいことはたくさんあった。けれど、胸が詰まって何をどう言ったらいいのか言葉がまとまらない。だからその代わりに、私は彼の体に腕を回して、ぎゅっと抱き締めた。 諒はそんな私を抱き締め返し、耳元で言った。 「今夜このままお前んちに行っていい?」 「え、でも……」 「せっかく両思いだってことが分かったんだ。お前を抱きたい」 顔が一気に熱くなる。私はそれを隠すように諒の胸に顔を埋めた。 「言い方がストレートすぎる!」 諒はくすりと笑い、優しい声で続けた。 「だって嬉しいんだ。本当なら今すぐにでも、お前をめちゃくちゃ優しく愛したいくらいなんだから」 そう言いながら諒は私の耳に歯を立てる。 彼の吐息の熱に抗えなくて、私は小さく頷いた。 「来客用が空いていなかったら、車は近くのパーキングに止めることになるよ」 「問題ない。最初からそうするから」 「明日の仕事は大丈夫なの?」 「明日は少しゆっくり行っていいから、全然大丈夫だ。ーーだから、もう帰ろう」 車に戻った私たちは展望広場を後にした。 私のマンション近くまで来ると、諒は二十四時間営業の有料駐車場に車を入れた。そこはマンションからは目と鼻の先ほどしか離れていない。 車から降りた私たちは、互いの指を絡めて手を繋ぎ、寄り添って歩く。 「こんな繋ぎ方、子どもの頃は知らなかったよな」 「恋人繋ぎね」 私たちは顔を見合わせて笑った。
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