EP-24

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ほっとする私に諒は言う。 ――当たり前だろ。瑞月が俺に相談したいなんて言うの、割と珍しいからな。心配になる。いったんウチに寄ってから行くよ。なんでもいいから、何か食べる物でも用意してもらえたら、ものすごくありがたいんだけど。お茶漬けでもいいからさ。 「うん。分かった。ありがとう。気を付けてきてね。待ってる」 私は電話を切ると、諒のために軽めの夜食の準備を始めた。 それから一時間もしないうちに、インターホンが鳴った。諒だった。 私はいそいそと玄関に向かい、ドアを開けて諒を招き入れた。 「お疲れ様。忙しいのに、会いたいなんて言ってごめんね」 「全然。瑞月の顔を見たら、疲れも吹っ飛んだよ」 「ふふっ。お夜食、できてるよ」 「お、助かる。腹ペコなんだ」 お腹をさするような仕草をしながら、諒は嬉しそうに笑った。部屋に入ると、手にしていた二つのリュックを床に置き、テーブルの前に腰を下ろす。 「仕事の時は、いつもリュック二つも持って行ってるの?」 「ん?これ?」 リュックにちらと目をやってから、諒はにやりと笑った。 「一つは泊まる時のやつ」 「泊まる時用?」 「宿直用にね。でも今夜は、このまま泊まって行こうと思ってさ。お前は明日休みだろ?いいよな?」 「それはいいけど……。でも、諒ちゃんの明日の仕事は?ここから出勤で大丈夫?」 「明日は少し遅めに出てもいいんだ」 「そうなんだ。じゃあ、明日の朝ごはん、一緒に食べられるかな?」 「あぁ。だからさ……」 諒は口元に笑みを浮かべて私をちらりと見た。 「全身の痛み、もう大丈夫だろ?」 「おかげさまで、それは……」 諒の言いたいことが何か分かって、どきりとする。頰が熱を持つ。 そんな私を見て諒はくすりと笑った。
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