EP-3

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「そうかな?」 「伸びるだろ。だって、おじさんもおばさんも身長あるし」 「そういうもの?」 「そういうものなんじゃないの?ま、小さいお前も可愛いけどね」 そう言って、諒は私の頭の上にぽんと手を置いた。 私はふくれっ面をしてみせた。 「また子ども扱いする」 「だって、子どもだろ。中学生なんてさ」 「ふん、っだ。何年かたったら、諒ちゃんの手が届かないくらいのいい女になってるんだからね」 「ぜひ、そうなってくれ」 くすくすっと笑う諒にムッとしていると、栞が廊下に顔を出した。 「ちょっと、瑞月。お兄ちゃんなんかと遊んでないで、早くこっち、始めようよ」 「はいはい」 「栞、お前、チョコなんか作れるのか?」 「だから瑞月に来てもらったに決まってるでしょ。自慢じゃないけど、あたし、ほんとに苦手なんだもの」 「それなのに、よく作る気になったな」 「別にいいでしょ。もしもうまくできたら、仕方ないから、後でお兄ちゃんにも味見させてあげる」 「成功するように祈っててやるよ。――瑞月、栞の手伝いなんか、面倒でしかないだろう?」 「全然、そんなことないよ。こういうのは私も好きだから」 「瑞月、早くこっち。お兄ちゃん、さっさと部屋に戻ってよね。勉強あるんでしょ」 「邪魔者はさっさと消えればいいんだろ」 諒は苦笑しながら肩をすくめた。
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