EP-4

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私もまた、栞からうつったうきうきした気分で答えた。 「そうなんだね。これからがすごく楽しみになってきたよ」 大学生活はスムーズに始まった。同じゼミには友達もでき、新しい知識が増えるのも楽しかった。 周りはアルバイトを始める子たちが多かったけれど、私は考えていなかった。アルバイトはしないこと、それが一人暮らしをするための条件の一つだったからだ。そのため、ゼミが終わるとまっすぐ自分の部屋に帰る――穏やかと言えば聞こえはいいけれど、少しだけ単調すぎる日々を送っていた。 引っ越してきてからひと月近くたったある日、遊びに来た栞が言った。 「瑞月って、バイトもサークルもやっていないんだよね?毎日退屈じゃない?私は最近サークルに入ったんだ。そのうち、何かバイトもやってみようかなと思ってるとこ」 「私もね、せめてサークルくらいは入ってみようかなと思ってる。バイトはダメなの。それが一人暮らしを認める条件の一つだ、って言われていて。もしもバイトしたりしたら、すぐに実家に連れ戻すからね、って。――うちの親たちって、どうしてあんなに心配性なんだろうね。電話とかメッセージも毎日必ずよこすし、私のことそんなに信用していないのかな」 「そういうわけじゃないと思うよ。本当に瑞月のことが心配だからだよ」 栞は、よしよしと私の頭を撫でた。それからひと呼吸ほど置いて、おずおずといった様子で口を開いた。 「実はね。そんな瑞月に折り入って相談があるんだけど……」
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