EP-4

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「相談?」 「瑞月って料理が上手でしょ。ほんとに時々でいいから、私たちに晩ご飯作ってくれたりしないかぁ、なんて……。図々しいお願いだってことは、もちろん分かってるんだよ。だからね、バイト代の代わりと言ったらなんだけど、材料は全部うちで買う。お兄ちゃんは料理しないし、したとしても、いかにも男の料理で大雑把すぎるし、瑞月も知っての通り私も下手でしょ?お恥ずかしい話、あたしたちの食卓事情、実はかなり切迫してるんだよね。毎日パンとお惣菜、お弁当ってわけにはいかないし、美味しくない料理ばっかりじゃ、味覚だって変になっちゃう。だめかなぁ……?」 そう言って、栞は上目遣いで私の表情を伺い見た。彼女の両手は、拝むかの如く胸の前で合わされている。 「それは別に構わないけど……」 一つの疑問が浮かび、私は首を捻る。 「それじゃあ、諒ちゃんは、今まで一人でどうしてたの?」 「学食とかお弁当、たまの男飯、あとは凛ちゃんとご飯一緒にしたりして、なんとかしてたみたい」 「凛ちゃんね。なるほど」 私は栞の答えに納得する。 「これからも、たまに凛ちゃんにお願いするのは難しいの?栞と凜ちゃんだって、知らない仲じゃないし」 別に嫌だと思ってそう言ったわけではない。本当は行きたい気持ちが強かったが、凛がいるのなら私の出る幕はさそうだと思ったのだ。 すると栞は微笑んだ。 「実は凛ちゃんね、最近いい人ができみたいなの。だから、遠慮した方がいいのかな、ってね」 栞も凜の恋愛事情は知っている。 「そうなんだ、全然知らなかった。凜ちゃん、私にも教えてくれたらいいのに……」
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