EP-5

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私は思わず吹き出してしまった。 「諒ちゃんったら『お兄ちゃん』を通り越して、まるで『お父さん』みたいだよ。しかも、うちのお母さんと同じようなこと言ってるし。あのね、地味な私がもてるわけがないんだから、そんな心配はいらないよ」 すると諒は呆れたような目で私を見て、ため息をついた。 「そう思っているのは自分だけだってこと、少しは自覚しといた方がいいと思うけど」 私は首を傾げて聞き返した。 「自覚?」 「そうだよ。……つまり、もう子ども扱いできないって思うくらい、すごく綺麗になったってこと」 私は目を瞬かせて、諒の顔をまじまじと見てしまう。 「いきなり何を言うのかと思ったら……。ものすごく恥ずかしいんだけど」 「恥ずかしいって何だよ。一応褒めたんだけど」 諒は苦笑いしながら文句を言う。 「諒ちゃんの口からそんな言葉が出るなんて、なんだかむず痒いっていうか、落ち着かないっていうか……。私、今夜、変なものは出していないよね」 「ほんと、失礼なやつだな。せっかく珍しく褒めたのに。とにかく、栞はあの通りはねっかえりだからあんまり心配していないけど、瑞月はなぁ……。どことなくホワンとしてるし、色々と心配になるんだよな」 「諒ちゃん今、本当に『過保護な父』状態になってるよ……」
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