EP-諒✽2

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瑞月に会ったのは、この前の正月だ。あの時はまだ高校生で化粧っ気のないつるりとした顔をしていたが、大学生になった瑞月はどんな姿をしているのだろう。変わっていないだろうか。それとも――。 そんなことを考えて、どきどきする。 瑞月が俺たちのわがままを引き受けてくれたと栞から聞いたのは、その数日後だった。仕事の早い栞は、早速約束を取り付けたらしく、この週末から瑞月が遊びに来ることになったという。 俺は落ち着かない気分で、その日を待っていた。 「そろそろかな」 夕べ寝るのが遅くなってしまい、うっかり昼寝をしてしまった。 ひとまず顔を洗い、夕べそり損ねたひげを剃ってさっぱりする。何を着ようかとしばし迷い、結局スウェットのルームウェアにする。変にきっちりした格好でいるのは、まるで気合いでも入っているようで気恥ずかしい。 栞が瑞月と帰って来るのはもう間もなくだろう。置時計をちらちら見て、俺はそわそわと用もなくリビングをうろついていた。 玄関でドアが開く音がした。 来たかー―。 つい小走りになりかけたことに気がつき、俺は自分に苦笑する。気を取り直し、あえてゆっくりとした足取りで玄関まで出て行く。 半年ぶりくらいに会う瑞月を見た途端、俺の鼓動は弾けた。 きれいになった、と思った。整えられた眉に少し大人びた印象を受ける。ふっくらとした唇は淡いピンク色に色づいていた。 食べたくなるような唇だ……。 ついそんな馬鹿なことを考えてしまい、慌ててその煩悩を払いのける。
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