EP-7

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「違うから。誤解するなよ。お前か栞かと思って、確認しないでうっかりドアを開けてしまったんだ。そうしたら、止めるのも聞かないで勝手に部屋に上がり込んでしまって……」 疲労が混じった声で諒は言う。 その様子を見て、私ははっとした。 「ごめんなさい。部外者なのに、余計なこと言っちゃった……」 「いや、いいよ」 諒は苦笑いを浮かべると、私が何も訊ねていないのに話し出した。 「この前、やっぱり数合わせで行った合コンで会った人なんだ。当然あの人に興味もないから、連絡先を交換したいとか、今度二人で会いたいみたいなことをしつこく言われたけど、その度に何度も断ったんだよ。で、つい最近になって、その時の合コンの幹事役だった先輩から、彼女が大学の方にも来ていたみたいだって聞いてさ。しかも俺のこと、聞き回ってるらしいって。迷惑だなと思っていたんだ。そうしたら、どうやってか俺の住んでる所を調べたみたいで……」 「えっ、何それ。すごく怖いんだけど……。それで今日、いきなり訪ねて来たってわけ?」 「そういうこと。驚かせて悪かったな。嫌な気分になっただろ?」 「それはまぁ、大丈夫だけど……。帰る時にあの人、諦めないみたいなこと言っていたよね。振り向かせてみせるとかなんとか」 諒はため息をつく。 「その時はまた、何が何でも断るしかないな。最悪、先輩に相談するさ、それでもだめなら警察だ」 「いずれにしても、栞も一緒に住んでいるわけだから、早く解決した方がいいと思うよ」 「あぁ、それもそうだよな。……たださ、栞にはこのこと、内緒にしておいてくれないか」
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