バニーさん(ダークファンタジー 5分)

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「なつめさんのお家に来られてよかったわ」  ビーズのように輝く瞳でそう言われ、私は有頂天になった。 「いつまででもいてくださいね。私、パパにお願いしてドールハウスを買ってもらいます。バニーさんが心地よく暮らせるように、なんでもしますから」  妖精に優しくすれば、願い事を叶えてもらえるのだ。 「ありがとう。前のお家には、もう帰れないから」  バニーさんが形の良い眉を寄せて、寂しそうに俯いた。 「どうしてですか?」 「以前は男の子のお家にいたの。とてもいい子だったのに、中学生になると、私を見る目つきがだんだん嫌らしくなってきて。あら、ごめんなさい。小さなお嬢さんに聞かせる話じゃなかったわ」  バニーさんに同情しながらも、少しムッとした。私は、もう小さくはないから。 「なつめさん、お願いがあるの」 「なんですか?」  顔を近づけて聞くと、バニーさんはオーロラの写真の上にきちんと正座して、両手を合わせた。
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