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「なつめさんのお家に来られてよかったわ」
ビーズのように輝く瞳でそう言われ、私は有頂天になった。
「いつまででもいてくださいね。私、パパにお願いしてドールハウスを買ってもらいます。バニーさんが心地よく暮らせるように、なんでもしますから」
妖精に優しくすれば、願い事を叶えてもらえるのだ。
「ありがとう。前のお家には、もう帰れないから」
バニーさんが形の良い眉を寄せて、寂しそうに俯いた。
「どうしてですか?」
「以前は男の子のお家にいたの。とてもいい子だったのに、中学生になると、私を見る目つきがだんだん嫌らしくなってきて。あら、ごめんなさい。小さなお嬢さんに聞かせる話じゃなかったわ」
バニーさんに同情しながらも、少しムッとした。私は、もう小さくはないから。
「なつめさん、お願いがあるの」
「なんですか?」
顔を近づけて聞くと、バニーさんはオーロラの写真の上にきちんと正座して、両手を合わせた。
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