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アテナたん大きくなる
「あにうえ、あにうえ、むねがくるしいのです!!」
アテナが鍛冶師の兄の仕事場にすっ飛んできた(物理)
「どうした?何があった?」
仕事場に篭っている時は女房のアフロディーテに対しても徹底した塩対応のヘパイストスが、珍しく槌を揮う手を止めてアテナの方に向き直る。
「なんかあちこちくるしいのです。みちみちとしめあげられてるようなかんじで。とくにむね」
そう言えば、ワシの頭から飛び出てきた時には掌サイズだったアテナも、もう蹴球くらいの大きさになった。随分とよく育ったものだ。更に見ると完璧なまでの大平原を誇っていた胸がほんのちょっぴり盛り上がっている。
「ああ、アテナもだいぶ大きくなったからね。そろそろ防具がきつくなってきたんだろう。修理してあげるから外しておくれ」
テキパキと採寸して、防具のベースはそのままにパーツを足したり引き伸ばしたりして今のアテナのサイズに合わせていく。
「胸当てに篭手にブーツに……おや?兜はそのままでいいの?」
「かぶとはだいじょうぶ!あたまにぴったりふぃっとちゃんなのだ!!」
「どれどれ……うわこれ装着者の成長に合わせて自動的にサイズが変わるように魔法がかかってる!?変形に必要なエネルギーと素材はどうしてるんだ!?……ふむふむ……」
兜には何やらすごい魔法がほどこされていたらしい。なんせアレはメティスがワシの体内で、ワシの頭蓋骨削って作ったお手製の品だからなぁ……どんな機能があっても不思議じゃないぞ。
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