はじめに

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 いやその結論はあんまり面白みがなくないですか? って思うじゃないですか? 私だって同じ気分ですよ。何年この課題に費やしてきたと思ってるんですか。じゃ、話を展開するためにも両者がどんな存在か、原典と商業作品を平行してみてみましょう。  原典は「諸説あり」がセオリーなので詳しくは各自wikipediaなり開いてください。 【悪魔ベルゼブブ】 ……別名蠅の王、糞山の王。七つの大罪の一つ『暴食』を司る悪魔にして地獄の三大悪魔の一つに数えられる。コランド・プランシー『地獄の辞典』出典・羽にドクロの描かれたデカい蠅の姿絵はとても有名だが、遡った本来の姿はキメラの貴族のような気高い姿らしい。  疫病の媒介者である蠅が象徴動物代表。これを使役し大凶作を起こすこともできれば自身が悪霊の如く人間に取り憑くこともできる。  余談だが悪魔のトップことサタンとは、 ①大天使ルシファー堕天後の姿であり名。 ②サタンとは肩書のようなものであるため地獄のトップという意味で堕天使ルシファーの地獄での呼び名。 ③いやいやルシファーとサタンは全く別個体である。  と、大体3通り存在する。②を取り上げると、()の大悪魔ベルゼブブをサタンと見なしている文献も存在するし、寧ろベルゼブブの実力はサタンをも凌ぐとも言われている。 【悪魔リリス】 ……別名夜の魔女。人類の始祖アダムの妻の名を捨て、死・冥界・夜と関係を持った悪霊・リリムたちを始めとする数々の悪霊の生みの親。生粋の誘惑悪魔である彼女は絵画の世界では、美しい女性、裸体もしくは薄物を纏い、梟や蛇等夜行性の動物を侍らせた姿でよく描かれる。  その反骨性を買われ、フェミニストのシンボル・女性解放運動の旗印にもなっていたりする。 この後の説明がしやすくなるように件の二作品でのベルリリ像もどうぞ。 [鬼灯の冷徹] ......日本地獄を舞台に主人公・鬼神の鬼灯が政務~俗世、更には世界の地獄もまたにかけバッサバッサと切り込み、、、口と拳を挟んでいくシニカルギャグ漫画。おとぎ話の人物はもとより懐かしのテレビ番組や歌ネタ等雑学ネタが随所に散りばめられており毎話どこかしらの年代に刺さる。31巻完結。 ↑のベルリリ像......EU地獄という独特なネーミングだけどこれ以上なく分かりやすい西洋地獄の所属(ギリシャ地獄と別視)。ベルゼブブはEU地獄トップ・サタンの右腕として働いている公務員であり人と蟲と爬虫類を混ぜて割ったみたいな姿をしている。飛べる。リリスはその妻。シルクハットがトレードマークのギャル奥様といった風な姿をしている。  尚ここのサタンは天使・ルシファー堕天説を採用している。コキュートスに幽閉されてはいない。ロリータファッション嗜好持ちである。 [終末のワルキューレ] ......天界、神々の全体会議にて人類滅亡が決定しかけた瞬間主人公・ワルキューレの長子ブリュンヒルデが判決に待ったをかけ、人類にチャンスをと開催された神vs人類13本ガチンコ勝負・ラグナロク。神々はワールドワイド、人類は歴史上のあんな偉人こんな奇人のびっくり箱。21巻発売中。 ↑のベルリリ像......ベルゼブブが神側闘士として登場。(神兼悪魔ということなので神カウントされている)"アナテマ"もしくは"デストルドー"、総じて"サタン"という、愛おしさを感じた対象を壊す、基い殺してしまう呪い持ちゆえに他者との接触を拒み冥界に引き篭っていた希死念慮悪魔。過去に殺してしまった友人(天使3名女神1名)への贖罪......酷く死ぬためにラグナロクに臨む。 この女神というのがリリスであり、ベルゼブブが自身の呪い(特性)を理解する要因となったヒト。辛い。
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