賞金に目が眩んだ私が悪いの⁉〜干物女は俺様社長から逃れたい〜

社内ミスコン？

　ウザい男、もとい葉山様がこちらをチラチラ見ながらブースに入って座ったのを見届けて、私はパソコンに打ち込む。

　葉山様の勤務先から今の一連のやり取り、そして細かい評価を……

　なぜなら――

　『ワールドパブリッシング』は、三カ月前に前社長が息子へ社長の座を譲り、会長という名の隠居をした。まだ六十代と若かったけれど、海外を中心に活躍していたやり手の息子へとあっさりと席を譲り渡したのだ。まだ三十歳という若さで引き継いだ息子である財前右京社長は、就任するやいなや一気に改革へ乗り出した。

　無駄に多かった書類は、一気に電子化になり経費を削減、更には残業時間を削減、そして私達の身近では受付の人数も削減された。

　仕事もしないでお客様の品定めをしていた先輩達は、新社長により総務部の別の仕事へ回された。他にも各部署では配置転換が行われて、ガラッと社内の雰囲気が変わったのだ。

　私とここあの二人でも受付の業務が滞ることはない。ということは、今まで無駄な人員が配置されていたということだ。