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同時に、私には完璧な社長様の、秘密や欠点を探し出すミッションがあるのだ。
今、私の顔を見られたら引かれるくらい、悪い表情をしていたに違いない。決意も新たに午後からの仕事に精を出す。
私が昼食を終えてコーヒーを飲んでホッと一息ついていると、廊下側の扉がノックされた。外崎さんならノックの後、自分で扉を開けて入ってくるはずだ。ここは、最上階で限られた人しか入れない。
嫌な予感しかしない――
無視するわけにもいかず、重い腰を上げて扉へ向かった。
「はい」
「秘書課の吉本よ」
「(最悪)……。開けます」
秘書課のお姉様方のボスが、吉本さんだったはず。
まだ外崎さんから秘書課のメンバーへ紹介はされていない。ただ、朝から何度か秘書課とのやり取りをしていたので、私という存在がこの部屋にいることはバレているのだ。外崎さんが、どのタイミングで私の紹介をしてくれるつもりなのかわからない。
そんな微妙な立場の私の元へ、あちらから先に乗り込んできた。
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