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「フー」
息を吐き出して覚悟を決めて扉を開けると、そこには迫力のある女性が三人立っていた。
「お待たせいたしました。ただ今、外崎室長は席を外されております」
聞かれてもいないけれど、外崎さんの名前を出してお引き取り願おうと試みた。
「でしょうね。さっき下へ行くエレベーターに乗ったのを確認したから来たの」
「では、私になにか御用でしょうか」
「聞きたいことがあってきたの。なんであなたがここにいるの? あなた受付よね?」
私が吉本さんを認識しているように、あちらも私のことを知っているようだ。まあ、受付だから知らない人はいないか。
「室長からお聞きになっていただければ」
「はあ? 聞けないからここへ来たんでしょう? バカにしてるの?」
「そうは言われましても、正式に秘書課への紹介もまだな今、私が勝手に答えていいのかわかりませんので」
「どうやって取り入ったの?」
「なんのことでしょう?」
「右京様が社長へ就任されて、私が社長秘書になると思っていたのに、外崎さんが室長と兼任していて女性を一切近寄らせないように鉄壁のガードをしていたの。それが突然、社長秘書室の内線から女性の声が聞こえてきて……」
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