賞金に目が眩んだ私が悪いの⁉〜干物女は俺様社長から逃れたい〜

社内ミスコン？

　ここあは、何にでも興味を示す。反対に、私は面倒なことが大嫌いだ。できれば厄介事には巻き込まれずに平和に過ごしたい。

　受付の制服を着て、ビシッと髪型をセットして、化粧もバッチリな私は会社での仮の姿。家に帰り着古したジャージを着て前髪をちょんまげにして、メガネをかけているのが本来の私の姿。

　派手な顔立ちで、私の意思とは関係なくモテモテの人生を歩んできたけれど、彼氏を作ったこともなく、見た目に反して地味な生活を送っている。趣味は、アイドルの推し活と貯金。推しには惜しみなく使うけれど、自分にはお金を掛けないと決めている。今でも中学と高校の『松田』とネーム入りのジャージを、ローテーションして着ているのだ。

　勝手に遊んでそうだの、経験豊富そうだのと言われるけれど心外だ。見た目で判断しないでほしい。

　毎晩遊び歩いていると噂だけが一人歩きしているけれど、実際は自宅マンションと会社の往復しかしていない。会社帰りに、コンビニへ寄るのすら面倒なのだ。