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「さて突然だが、神はいると言ったら信じるかな?
まぁ、信じる者は少ないだろう。信じていたとしても鮮明に想像できる者など存在しない。」
そんな風にそのフードの男は4人の観客を前に演説を始めた。
「しかし、神は決して私たちを導き守護するものではない。
神は支配者なのだ。
万物を司る支配者だ。
神だって色々なものがいる。
各々司るものが違うからだ。
そしてなにより、神には上限が存在する。
つまり、神だろうがなんだろうが死からどれだけ離れようが、その呪縛から完全に逃れることはできない。」
「私には夢があった。
人間とは小賢しいもので、神々の力を利用することで超常現象を起こすことができる。
つまり単なる人間には、力などなく世界を改変する小さなきっかけになることすらできない。
ではどうすればできるようになるのだろうか。
神との共存である。
神と同等の立場にあることで、人間は人間ではなくなる。」
その男が言っていたのは、子供のお遊戯だった。
数々の神話や物語に現れては破滅する、そんな愚かな思考。
けれどもその願いを全力で叶えようとする気迫がこちらに覆い被さるように傾れ込んでいた。
「それが!今の私に出来るかもしれないという一歩手前まで来たのだ!!!
しかし私も愚かではない。
どんなギャンブルだろうと安全確認くらい必要だろう。
だから貴方方は実験台だ。
幸福にも神の力をその身に受けるのだ。
そんな素晴らしい大役に選ばれたの誇ってもらって構わない。
さて、私からはこんなところかな。
質問があれば出来る限り答えよう。」
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