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プロローグ
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、」
走れ!走れ!走れ!!!
止まるな!動け足!!走り続けろ!!
低木を掻き分け前へ進む。
その度に手足を枝木が切り裂いた。
そこは、深い深い、樹海の中だった。
バケモノの住まう、危険な森だ。
法によって立ち入りは禁止されており、助けなど期待できない。
そんな、平民だって誰もが知っているような常識が、彼女に絶望を教えてくれた。
しかし“それ“は異常だ。
いいや、先に彼女の身に起こったことに比べれば些細な違和感でしかなくなってしまうのだが、それでもあり得ないことなのだ。
だって、彼女は死んで、生き返った。
そう、俗にいう、異世界転生というやつなのだ。
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