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2・神様殴っていいですか?
「あー……。すまない」
尻もちをついた状態の私の前に、申し訳なさそうに眉尻を下げる男が一人。
穴に落とされた私の前に現れたのは、白っぽい青年だった。
芸能人でもなかなかお目にかかれないほどのものすごい美形の登場に、思わず固まってしまう。
芸能人レベルで整った目鼻立ちに、まろやかなホワイトブロンドの髪。全てを映すかのような空色の瞳が美しい。
何より目を引くのは、彼の肌の白さだ。死人のように肌が白い。それこそ透き通る白さだ。
透き通る、っていうか……本当に透けてない?
上下左右、永遠に真っ白が続くようなこの空間に溶け込むようにして佇む青年は神秘的ではあるが……。
なんだか、溶けて消えてしまいそうだ。
なんとなく私はそう思ってしまった。
「えー、と……?」
とりあえず、その不気味なレベルの美形が私になんの用だろう。ていうかここどこ。
気がついたら、どこまでも白が続く不思議な空間にいた。目の前の美形も相まって、とてもじゃないけど現実とは思えない。
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