4・神子様(笑)

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4・神子様(笑)

「あ、あの……」  ええと、誰か。この際あの自称神様でも誰でもいい。この状況の説明を求めます。  見知らぬ場所に落とされて、これまた見知らぬ男性に跪かれるって一体どんな状況?  はっきり言って、私は彼らからしたら不審者・不法侵入者同然だと思うから、捕まえられるというのはまぁわかる。  だけど、神子様とか何とか呼ばれて跪かれるのはさすがに理解不能だ。  とか何とか頭の中で考えていたら、剣を腰に下げた青年がおもむろに立ち上がった。    ひぃぃ! 頼むからその剣だけは抜かないで!! 「少々、失礼致します」 「ひゃっ!」  なになになに!?  ふわりと身体が宙に浮く。  ってまさか、これが噂のお姫様抱っこですか!?  青年は私を軽々と横抱きに抱えあげると、そのまま元来た道を戻るように浅瀬を突っ切った。  私を気遣ってか、青年はゆっくりとした足取りで歩いていく。  やがてブロンドの男のもとまでたどり着くと、青年は私を床へ降ろした。  お姫様抱っこ、怖い……。
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