110人が本棚に入れています
本棚に追加
4・神子様(笑)
「あ、あの……」
ええと、誰か。この際あの自称神様でも誰でもいい。この状況の説明を求めます。
見知らぬ場所に落とされて、これまた見知らぬ男性に跪かれるって一体どんな状況?
はっきり言って、私は彼らからしたら不審者・不法侵入者同然だと思うから、捕まえられるというのはまぁわかる。
だけど、神子様とか何とか呼ばれて跪かれるのはさすがに理解不能だ。
とか何とか頭の中で考えていたら、剣を腰に下げた青年がおもむろに立ち上がった。
ひぃぃ! 頼むからその剣だけは抜かないで!!
「少々、失礼致します」
「ひゃっ!」
なになになに!?
ふわりと身体が宙に浮く。
ってまさか、これが噂のお姫様抱っこですか!?
青年は私を軽々と横抱きに抱えあげると、そのまま元来た道を戻るように浅瀬を突っ切った。
私を気遣ってか、青年はゆっくりとした足取りで歩いていく。
やがてブロンドの男のもとまでたどり着くと、青年は私を床へ降ろした。
お姫様抱っこ、怖い……。
最初のコメントを投稿しよう!