4・神子様(笑)

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 私は我慢できずに背後の石像を振り返った。 「ちょっと、どういうこと……?」 『いや、だからな?』 「誰が、国に祝福を与える、ですって……?」  キラキラとした眼差しをこちらに向けてくる二人には聞こえないように声を潜める。  石像を囲むこの浅瀬がなければ、たとえ石像であっても自称神様に詰め寄って、胸ぐらでも掴んでいただろう。 『い、いやいや、立派な立場があった方が便利だろう? 嘘も方便だ!』 「おいおい神様……」  それ、騙してることになりません?  私は呆れて頭を押えた。 『僕が君を元の世界に帰せるようになるまで、神子としてこの世界でつくろぐといい! むしろこの僕に感謝してくれてもいいんだぞ!?』 「はぁ!? 何言ってんの!? 元はと言えばあなたが――」  神様とグダグダ言い合いをしていると、後ろからぱちぱちと拍手が聞こえてきた。  あ、嫌な予感。 「素晴らしい……! 神子様はルーチェ様と会話ができるのですね!」 「ええ、本当に素晴らしい」  恐る恐る振り返ると、ブロンドの男性が感動した、というふうに琥珀の双眸を輝かせてこちらを見ていた。
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