134人が本棚に入れています
本棚に追加
そして神殿に石像があるということはあの自称神様とやら、本当に神様だったのか……。
ていうか、あんな神様を祀っているこの国、大丈夫か……?
『失礼な!』
思わず不安を抱いた私に、即座に反発してくる自称ではなくなった神様。
あー、無視ね、無視無視。
「私はニコラス・エッカート。この神殿で神官をしております」
ニコラスさんは人当たりの良さそうな笑みを浮かべながら、私に向けて軽く会釈をしてくれた。そして、隣の青年に少し視線を向ける。
「こちらは神殿騎士の一人、ジェラルド」
ニコラスさんに紹介された青年が、一歩こちらに進み出てきた。
それっぽいなとは思っていたが、この青年、本当に騎士だったのか。
「初めまして、神子様。俺は、ジェラルド・フォン・バッケンバッハと申します」
おおう……すごい名前だな……。
なんというか、名前がとてもきらびやかだ。
単なるイメージだが。
「あ、私は、立花葵です……」
日本人として普通の名前のはずだが、こんな派手(?)な名前の人の後に名乗るとしょぼく思えてきた……。
最初のコメントを投稿しよう!