5・騎士様と神官様と神様と私

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 そして神殿に石像があるということはあの自称神様とやら、本当に神様だったのか……。  ていうか、あんな神様を祀っているこの国、大丈夫か……? 『失礼な!』  思わず不安を抱いた私に、即座に反発してくる自称ではなくなった神様。  あー、無視ね、無視無視。 「私はニコラス・エッカート。この神殿で神官をしております」  ニコラスさんは人当たりの良さそうな笑みを浮かべながら、私に向けて軽く会釈をしてくれた。そして、隣の青年に少し視線を向ける。 「こちらは神殿騎士の一人、ジェラルド」  ニコラスさんに紹介された青年が、一歩こちらに進み出てきた。  それっぽいなとは思っていたが、この青年、本当に騎士だったのか。 「初めまして、神子様。俺は、ジェラルド・フォン・バッケンバッハと申します」  おおう……すごい名前だな……。  なんというか、名前がとてもきらびやかだ。  単なるイメージだが。 「あ、私は、立花葵です……」  日本人として普通の名前のはずだが、こんな派手(?)な名前の人の後に名乗るとしょぼく思えてきた……。
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