6・騎士様と二人①

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 ニコラスは騎士の男性にそう告げると、少し困ったような顔でこちらを振り返った。 「申し訳ありません。私は急ぎの用事のため席を外させていただきます」 「あ、はい」  ニコラスを引き止める理由もない。  私の返事を聞くと、ニコラスはジェラルドの方へ視線を移した。   「ジェラルド、神子様をお部屋にご案内して差しあげてください。あとのことはあなたに任せます」 「はっ!」 「それでは神子様、御前を失礼いたします」  ニコラスはバタバタとした様子で、騎士の男性とともに去っていった。  あとには、ニコラスに向かってピシッと敬礼をした状態のジェラルドと私が残される。  ちらりとジェラルドを見上げると、にこりと爽やかな笑顔を返された。  ええーー……。  初対面なのに二人きりにされても困るんですけど……。      
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