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叫び声にはっと目を開けて振り返れば、階段から騎士の一人が転がり落ちてきたところだった。
咄嗟にジェラルドが受け止めたようだが……。
「え、な、何……?」
こつ、こつ、と誰かが階段を降りてくる足音が石壁に響く。
入口付近にいるジェラルドが、身構えるように腰に提げた剣に手をかけているのが視界に入った。
「ずいぶんと厳重な警備だな。まさか地下にいるとは思わなんだ」
低く、冷たい声が聞こえる。
それは、ジェラルドのものでもニコラスのものでもない。
「国王、様……?」
祭壇の部屋に現れたのは、どす黒いオーラをまとった国王様だった。
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