66・私の居場所①

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66・私の居場所①

 国王様との一件から一週間が経った。  あの日、国王様の杖を破壊したあと、私は意識を失ってしまった。  目覚めたら次の日の朝になっていて、その後の事情はニコラスたちから聞いた。  私と同時に気を失ったまま国王様は、一週間たった今もまだ目覚めていない。  とりあえずは先王様が、王位を代行しているそうだ。  神様を呪って力を奪ったということもあり、国王様が今後も王権を振るうことをよく思っていないものが王城内に多くいるらしい。  王位の今後について王城では揉めに揉めたと、ニコラスが苦笑しながら教えてくれた。    国王様は結婚されていないので、当然跡継ぎとなる子どももいない。  このまま国王様の意識が戻らないようであれば先王様が復位することになるだろう、とのことだ。  あの大雨は結局、国王様が力に込まれかけていた影響だったそうだ。  杖が壊れ、力が神様に戻ると同時に雨は止んだ。  浸水しかけた街も、現在は次第に元の姿へと戻っていっている。    全ては一応の収束へと向かいつつあった。  そして私は――。  ◇◇◇◇◇◇  神殿の地下祭壇で。
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