66・私の居場所①

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 いつか、後悔すると思う。  私のこの決断は、育ててくれた親や、友だち、元の世界での暮らしを全て捨てることを意味する。 『いいや。身勝手で愛おしい……僕の神子だ』  神様の声は嬉しそうだった。  姿は見えないが、きっと見えていたら神様は、泣きそうな笑顔をしているに違いない。 『君に、僕の加護を与えよう。この世界で君が幸せに生きられるように』  ふわりと、私の周囲をきらきらとした光が舞った。  祝福するかのような温かな光が、私を包んで消える。 『君はこれからも、僕の神子だよ。僕の姿は見えなくても、たまにはここで僕と話そうじゃないか』 「……ありがと。神様の話し相手くらいにはなってあげるね」  姿が見えなくなって、同化が解除されても、私は忘れない。  この世界の神様が、とても優しくて、でも子どもっぽくて、神様らしくなくて……。だけど、誰よりも人間を愛しているということを。  この神様の存在に励まされたから、ここまで頑張れたということを。
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