67・私の居場所(最終話)

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 ごにょごにょと言っていると、ジェラルドは私の腰へ腕を回してぐいっと上へ抱き上げた。 「本当ですか!? 嬉しいです」 「わわっ」  体がふわりと宙に浮く。  咄嗟にジェラルドの肩へ手を置くと、間近にジェラルドの幸せそうな顔があった。  ――ジェラルドがそんな顔をしてくれるなら、私の選択はきっと間違いじゃない。  後悔はきっとするだろう。生まれてきてからあったすべてを捨てるのだ。しないわけが無い。  だけど、ジェラルドが傍にいてくれるなら、後悔を上回る幸福を手に入れられる。 「必ず俺が、あなたを幸せにします」 「……私も」  私だって、ジェラルドのことを幸せにしたい。  だからこの世界に残ったのだ。  元の世界にジェラルドを連れて帰っても、この人は要領がいいからきっとうまくやれるとは思う。  だけど、ジェラルドはこの世界で生きるべき人だ。  彼を必要としている人が、この世界にはたくさんいる。  ジェラルドには、神殿騎士団長として、時には王弟殿下(今は王子殿下?)として、この世界で生きて欲しい。 「アオイ様。俺はあなたのことを、お慕いしております」
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