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じーっと青年に視線を向けて説明を求めると、青年は私が言いたいことを理解してくれたようだった。
「あー……。ここは、世界の狭間ってところかな?」
「……はい?」
意味がわからない。
この青年は、寝ぼけているのだろうか。
「僕は、君がいた世界とは違う世界の神様」
「……かみさま」
やっばり意味がわからない。
自ら神を称するなんて、この青年の頭は大丈夫だろうか。
これは、生半可な覚悟で関わってはまずい人種だったかもしれない。
「で、君の世界に遊びに来ていたら、帰り道に僕は君とぶつかった」
あー、もしかしてさっきの……?
ぶつかったのはあんたか!
確かに私は何かにぶつかったけど、まさかそれが自称神様だなんて誰が思うだろう。
というか、よその世界の神様がふらふら別の世界へ遊びに行っていいのだろうか?
「で、その衝撃にうっかり力を使ってしまったらしく、君をここに飛ばしてしまった」
「……な、なんですって?」
なんだって?
飛ばしてしまった?
自称神様とやらが、私をこの真っ白な異空間に?
ちょっと待て。
それって帰れるんでしょうね?
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