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返してくれるんでしょうね?
自称神様は、私の言いたいことは分かっているとでも言うように、鷹揚に頷いた。
「君の言いたいことはよく分かる。申し訳ない」
なんだか嫌な予感がする。
この自称神様、謝りはするがほかの言葉をなかなか言ってくれない。
「えーと、神様さん? 今すぐ私を元の世界に帰して?」
にっこり。
私は笑顔で尋ねてみる。
「すまない。無理だ」
にっこり。
自称神様、笑顔で切り捨ててきやがった……。
「ど、どうしてくれるのよ!?」
今日から新学期が始まる予定なのだ。
だというのに、初日から早々に遅刻。で済むならまだいい。
無断欠席。下手をしたら長期無断欠席。最悪の場合留年!? 退学……!?
もはや最悪の事態しか考えられない。
「お、落ち着け……!」
詰め寄った私に、自称神様は焦った様子で私の肩にぽんぽんと手を置いた。
落ち着かせたいのだろうが、あいにく無理だ。むしろ逆効果だ。
「これが落ち着いていられますか!」
神様、一発殴らせて。
拳を構えた私に鬼気迫るものを感じたのか、自称神様は慌てて言い募った。
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