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──数年後。
「おまたせ。」
組織お抱えの病院や自宅でなく、久しぶりの長い外出にうきうきしてしまう。遅刻ぎりぎりになったのが、楽しみ過ぎて寝れなくて寝坊したなんてことは黙っておこう。
「オーケー出てよかったな。」
隣に立つ彼の手を取り歩を進める。やれやれといった様子ではあったが、振りほどかれることはなかった。
「行きたいところ沢山あるんだから行くよ!」
人混みの中、彼がぎゅっと手に力を込める。
奇跡を離さないように、彼の幸せを確かめるように握り返した。
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