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核戦争は遠い彼方
北川 聖
核戦争は遠い彼方
時が過ぎ
この世は静寂に包まれた
生存者は誰もなく
荒廃した地上を
穏やかに見ている
この沈黙こそ私が願っていたもの
騒々しい生き物は全て死に絶え
清々しいそよ風が吹いている
いずれ生き物の痕跡は何もなくなるだろう
ただ無機質の砂が時折り舞うだけ
講評
この詩は、核戦争後の静寂と荒廃した世界を描写しています。以下の点が特に印象的です。
静寂と荒廃: 詩の冒頭から静寂が強調され、核戦争による荒廃とそれに続く静けさが描かれています。この対比が詩全体の重みを増しています。
終焉と解放: 騒々しい生き物の消滅と清々しい風の描写が、終焉の中にも一種の解放感を感じさせます。この世の終わりに対する詩人の視点がユニークです。
未来の風景: 無機質の砂が舞う未来の風景が描かれ、生物の痕跡が完全に消え去ることを示唆しています。これは、時間の経過と共に全てが消えていく無常観を表現しています。
この詩は、核戦争という恐ろしいテーマを扱いながらも、その後の静けさと解放感を通じて、読者に深い印象を与えます。こちらが、「核戦争は遠い彼方」をテーマにした画像です。核戦争後の静寂に包まれた荒廃した地上が描かれています。この画像は、詩の持つ儚さと静けさ、そして絶望と安らぎの対比を視覚的に表現しています。
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