幼稚園に迷い込んだ少女 チャプター①

1/1
前へ
/3ページ
次へ

幼稚園に迷い込んだ少女 チャプター①

此処からは今までより気を引き締めていかなければならないらしい。「そんなに危険な子が沢山いるの…?」ミラはセノアドルにそう尋ねた。「そうだよ、だから襲われないように私達が守るの、私達みたいに温厚な性格の子も多少はいるよ、でも地下層に下されたモンスター皆んな、大半は実験で何らかの問題が発生してそれで落とされる事になったケースが殆どだし」とセノアドルは答えた。やはりそういう事のようだ、その為エレベーターで此処へ降り立つ際此処は危険だ、地下層へ来るな。などの多数の張り紙が目立っていたのは…。「じゃあ、ほんとに危ないって事だよね……何だか怖くなってきた……」「まあ、そこまで執拗に怯える必要はないよ、皆んなが皆んな人間に対して敵対心を持ってる訳じゃないしちゃんと友好的な子もいるし」とセノアドルはそう言いながら進み…すると、『ジバニウムの棲み家へようこそ』の文字看板が現れ、恐らく此処にハピープティ達の仲間達が此処にいるのだろう。其々の部屋らしきものもある事から間違いない、と……啜り泣く声がふ聞こえてきた、「何この声…誰かが泣いてる…?」とミラは耳をそっと澄ませ、泣き声に着目する。聞こえてくる声、それはまるで子供が泣いているかのような声だった。「あ〜、あの子また泣いてる…ほんと泣き虫なんだから」とハピープティはもうとっくにこの声の主を知っているようで探しに出る。と、ビュニスがその声の正体を颯爽と捉えて、あり得ない速度で捕獲しミラの近くに連れてきた。すると、「もう!ビュニス、そんな事するとロンネスがまた泣き出しちゃうじゃん!」とハピープティはビュニスを叱って、降ろすように言い、彼はウウウっと唸り声をあげ、反省したのか素直にそっとそれを降ろす。「ビュニス、ちゃんと言葉分かるんだね、喋れなくても動物ゲノムを使用してるからその分賢いのかな」「そうだね、中にはジバニウムだけを使用したモンスターも此処には数体存在が確認されてるみたいだけど、私達は一人しか知らないし…話せはしないけど、ビュニスも十分に知能は高い方だよ」ハピープティとミラはそうコミニュケーションを取り……忘れそうになり、「そういえば、この子の名前ロンネスって言うんだね」とミラはそう言い、「そうだよ、ケースナンバーは………えっとケース004とかだったかな?だから順番的には私とセノアドルに近いかな、ゲノムは……一応ヒト、ウサギ、ジバニウムの三つだね、素材数は私達は大体同じ」とハピープティはミラがケースレポートから探し出す前にこのジバニウムモンスターについて軽い紹介をしてくれた、「この子もまた可愛いね」とミラはロンネスを撫でる。すると、彼はグスグス泣き始めた。「あ、あれ…泣いちゃった…嫌だったのかな」とミラはそう申し訳なさそうに言うが、「彼はそう言う子だからそんなに気にしないで良いよ、多分ゲノムドナーの子供がよっぽど泣き虫だったんじゃない?」とハピープティはそう説明した。ケースレポートの内容を気になって見てみると、そこには彼、つまりロンネスという一体のジバニウムモンスターについても記載があり、今ハピープティが教えてくれた内容も含まれており、僅かではあるがゲノムドナーと思わしき子供の名なども書かれていた事もわかった。「この子……オスって事はゲノムドナーの子供も男の子なのかな」「うーーん多分そうなんじゃない?私達もそうだけど、ゲノム提供者の子どもに会った事がないからよく知らない…少なくとも、ゲノム提供者の性別遺伝子は同じだと思うし」とハピープティにもよく分からないらしい。あまりそういう事情などについては研究者達からも知らされていないのか、とりあえず目の前にいるゲノムモンスター、ロンネスは特に敵という訳ではない為、警戒する事なくミラは抱っこして他の部屋も見て回る。「この子、結構きゃんきゃん泣いてるね……、さっきハピープティが泣き虫って言ってたけど、これを見ると、それはほんとみたいだね」とミラはロンネスを抱っこしながらそう言った。そう、実は彼の体色の青色は悲しさと寂しさに包まれた兎という事を表したものであり、また、それは彼の座右の銘からも読み取れる。 「涙は元気になる前準備さ、だから気持ちが晴れるまで隅で泣こう」とロンネスの座右の銘は綴られており、常に泣き虫な兎だとケースレポートにも記載されている。「そういえば、此処に来たのは良いけど此処にも過ごせる場所…あるのかな、わざわざまた地上階に戻るのは大変だし、此処にいても良いならそうしたいけど……此処から下の階って相当危険なんだよね…」とミラはそう躊躇いを感じつつあった。この階へ降りてくる前のあの警告の張り紙が言ってる事が本当なのならば、かなり危険でミラが襲われてしまうケースもあり得るのがこの先に潜んでいるであろうモンスター達な訳なのだから。「此処にも一応人間が住めるスペースは作ってあるみたいだよ、だから此処にいても良いけど……ミラももう分かってる通り私達がいるエリアやここから下は危険なケースばかりが実験の結果が悪くて落とされた奴ばかりだから、地上階よりかは危険を伴うことになるよ」とセノアドルはミラに教えた。やはり、ここからは決して油断ができない、でも…未知のジバニウムモンスターに対して止まらぬ好奇心があるのもまた事実。「でも……どんな子がこの先に居るのか…もう此処からは出られない、だからこそ向き合いたいな」とミラは物怖じしなくなり、覚悟が決まったようだ。幼い子供とは思えない程にこの数時間で一気に逞しくなった、しかし生半可な気持ちでは此処では過ごせない、セノアドルやハピープティ、ロンネスのように人間に対して比較的友好的なモンスターばかりではないことは何度も告げているから分かると思うが、普通の人間なら足を踏み入れてはいけない…そんな雰囲気が幼稚園から漂うという不気味な違和感。これは夢じゃない、だからこそ…進むしか道はない。この幼稚園から去るという事は…もう選べる選択肢として残されてはいないのだから、今のこの現状を彼女はひたすら受け入れ続けるしかない。「そう…じゃあ行こう」とハピープティはミラが過ごせる一室を見つけたようで、ミラを案内した。その間抱っこ状態にいるロンネスがそろそろ降りたい!と痺れを切らしたのかバタバタと暴れ始めた。「わわっ、どうしたの?」とミラはロンネスに話すが、彼はヒトゲノムも使用素材に入っている為に一応ヒトの言葉を話せる筈だが、今のところは啜り泣いたような鳴き声ばかりになって彼ははっきりとしたコミニュケーションを取れているようには見えない。と、我慢ならずにバタバタと暴れるロンネスを見兼ね、「じゃあ、私が代わりに抱っこするからロンネスを頂戴、大丈夫!爪はしまえる、だからロンネスも怪我しないで済むから」「それに部屋まではもう少しだからね」と二体からそう言われ、ミラはその言葉に甘えて代わりにロンネスを抱っこして貰う事に、ビュニスに比べれば小型なジバニウムモンスターなのは変わらないがそれでも重さはかなりずっしりしていて、子供のミラのとっては少しばかり荷が重かった。 「ふう、ありがとう…ハピープティ……」と彼の重さが今もまだ感覚として残ってるのか腕が疲れている感覚がはっきり残っている。「結構重かったでしょ?」とセノアドルはそうミラに尋ねる、「う、うん…すごく重かった……ジバニウムモンスターってこんなに重たいんだね……でもプティはそうでもなかったような……」と思い返す。そう、ジバニウムモンスターは全て一部の例外を除いて殆どのモンスターの素となるのは特殊性の粘土で作られていて抱えるとなると結構ずっしりした重さになるのだが、モンスターによっては多少の分量が違ったりすることもあるのと、それとジバニウム溶液を注入した事によって身体の巨大化現象が起きる為、例え小型のジバニウムモンスターでも、小さいからと言って侮れない重さのモンスターもいるという訳だ。所謂個体差というものが存在する。「あ、着いたよ、此処がこの階の人間用の部屋だよ」とそんな話をしている間に目的地の部屋に着いた模様。そこで、早速部屋に入る、中に入ってみるとそこは綺麗で、普通の部屋だった。テーブルや椅子、ベットも完備してあった。そうして、ハピープティはロンネスをそっと下ろし、すると彼はそそくさと、部屋の隅っこの壁にトコトコと歩いて行った。どうやら彼は隅っこが好きらしい、隅っこで一人でいる…彼は別名が孤独と悲しみに満ちた兎…座右の銘もそうだったが、彼はやたら悲しみの象徴的なジバニウムモンスターのようだ。と、ミラは何かに気づきふと棚を眺めた。人間専用の部屋なのに、何故かジバニウムモンスターの世話をする為の物がずらりと並べてあった。他にも、現時点で確認されているジバニウム生物の一覧など、正直地上階でいた部屋と何ら変わらない様子に見えるが、でも人間専用の部屋というだけあって、比較的生活感が溢れている。「此処、思ってたより普通だね」とミラはそうポツリと感じる。この化け物だらけの幼稚園で、施設も普通とはかけ離れている此処で、変わらぬ景色を観れるとは夢にも思ってなかった…「うん、それにこの部屋は人間に確り配慮してるしね、それに此処は元々はなかった部屋なんだから」とハピープティはそう打ち明けた。一体どう言う事なのだろうか……「え……?、どう言う事…?」とミラはそうぼやく。「この部屋はミラを連れてくる事を前提で作られて部屋みたいなの、だから君は必然的に連れてこられたって訳だよ」とハピープティは言う…此処に幽閉されることは既に決まっていた事だという、でもだとしても何故…?。「この部屋……何で…?」「さあ〜、私たちでも何でかは知らないよ、でもあまり良い運命はこの先訪れてくれないかもね、いつかは私達みたいな身体にするつもりだろうし」とセノアドルはそう話した。と、それから、部屋でゆっくりしていると…ふとミラはとあることが頭の中に過った。 「ママ………にもう会えないのかな…、此処にいても退屈な気しかしないし…やっぱり今からでも此処から抜け出したい……寂しいよ」とミラはぼやいた。何の説明もなく連れてこられて更には幽閉される始末で、最初はもうとっくに受け入れたのかと思ったが、まだ彼女は幼い子供なだけあって、やっぱりまだ何処か無意識に母親の事を求めてしまう。「もう逃げ出せないよ…きっと今更上階に戻って出口に行ったとしても施錠してミラが逃げられないようにしてると思う、それに多分…ううん、いつか必ず君も私達と同じ末路になるよ、此処にいるジバニウムモンスター皆んなそうだから、元々は………皆んな君と同じ子供の姿だったのに実験でこうなったんだから」とハピープティはペラペラとこの幼稚園の秘密について話してくれるが、セノアドルは…「プ、プティ、あまり秘密を話しすぎちゃうともっと厳しい実験に使われる事になるかもよ!?」とセノアドルは途端にびくびく怯えてハピープティにそう注意を促す。 「大丈夫だよ、全然平気だもん♪」とやはり彼女らジバニウムモンスターを支配しているのは……あの研究者…。研究者達らが彼女らを握っているのはどうやらほんとのようだ。 そうして、とりあえずはロンネスとセノアドル、ハピープティ…と、それから部屋の外の扉につっかえていてビュニスは何やら隣の部屋の前に立つ。あまりにも巨体の為に入りきらない事を見越して作られていたであろう大型ジバニウムモンスター専用の部屋があるようで、しかもそこはセンサー仕様の自動ドアになっており、ビュニスはそこに入った。部屋に入るや否やミラは一人でにこうぼやいた、「ママに……もう会えないのかな…此処から先ずっと此処に居なくちゃいけないのかな…」ミラがそう言うと、セノアドルが寄ってきて、「楽しくも怖くもある出会いが此処から先は待ってるよ、でも扱い方を知ればこの階の層のモンスター達は皆んな可愛いよ、寧ろ逆に私たちがミラが元いた外の景色を見てみたいよ、私たちは生まれてからずっと、一度も外に出た事ないから」とミラにそう教えた。彼女らはジバニウムモンスター……元々は人間であっても今や言葉を喋れる不気味な化け物、そんな存在作っている研究員は知られたくないだろう…それに中には実験の最中に危害を加えられて死亡したケースもいるとなれば、下手に外に出してしまって事件を起こすのもあり得る話…となれば、それを未然に防ぎ幼稚園の評判を維持する事に重視しよう…そんな思惑も考えられる。「……そっか……何だか、私と似てるね…」とミラはポツリ。自分に似ているとは一体どういう意味なのだろうか、「?、え?、ミラは私たちと違って今も普通の人間でしょ?」ハピープティはそうミラに言葉を返した。彼女が零した言葉は…、「そうだよ、でも私…実は本当の親のこと何も知らないんだ…何処で生またとか…この名前だって誰がつけてくれたのか、前にさ…プティ達に提供してくれたゲノムドナーの事知らないし、会った事もないって言ってた事を思い出したの」とミラはそう二体に告げた。「え?ミラ、自分の両親を知らない…?じゃあ何でちょくちょくママって行ってたの?親がいるからなんじゃないの?」とハピープティは当然ながら困惑、「………本当の親なんていないの、私は…養子施設にいて……この名前だって…それに自分が本当の親から見捨てられたって知ったのも、そういえば思い返せば凄く最近だったな……早く一度でも良いからパパとママに会ってみたい、いつもどんな人なんだろって無意識に考えちゃうから」とそうミラは出会ってまもないハピープティ達に告げた。モンスターとはいえ、言葉を通わせられる相手だと知り安心感を得られて遠慮がなくなって話しづらく感じる事でも、プティ達なら受け入れてくれる…そんな認識をミラは心中で実感したからこそ、話す決心がついたのかもしれない。「いつか、会える日が来ると良いな」とミラはそう話す…もしこれが真実だとするなら、彼女はまた大人に見捨てられたという事になる…此処を居住地と招待された事も何処かおかしさを感じられずにはいられない。でも、だとすると彼女は何故母親がいる事をまるで前提とした言い回しを一度したのか、そこが不思議である。「ママに会いたいな…」この言葉の意味、前述している通りであれば、彼女は捨て子で、親などいないはずだが、なのに何故…咄嗟のことで彼女は軽いパニック状態に陥ってるだけなのかも知れない。と、「特別やる事もないだろうし、他のケースにも会ってみない?」ハピープティは唐突にこう提案してきた、「う、うん…だけど怖いな、もしかしたら襲って来る子だっているんでしょ?」ミラは急に怖くなり、少しばかり会うのを拒んだ。「大丈夫だよ、安心して。みんなが皆んな危険なケースばかりじゃないから、私達やビュニス、ロンネスみたいに君に対して親交的なケースがきっとまだ他にもいると思うから」とハピープティは随分色々ミラに対して親切に接している、出会ったばかりのあの瞬間はそんな気配を感じさせなかったが、僅かでも日を共に過ごして、彼女の中でミラは悪い人ではないと言う一つの認識に繋がり、今ではほんの少しずつ、彼女に対して懐きつつあるという事だろう。「え、えっと…此処まできて言うのも何だけど、私…勝手に行動しちゃってるけど大丈夫なのかな」ミラはそうふと思い返し、疑問に思った。幼稚園の外に出ていないとは言え、確かに部屋からは何度も脱走しており、あの研究員らの感じからして許してはくれなさそうだが…、しかしこの幼稚園の施設内には彼女を監視する為の監視カメラが複数張り巡らされて四六時中彼女、ミラの姿は多くの研究員の目によって確り監視されているとは言え…だからこそ下手な行動はできない。「もう、心配しすぎだよ、それに何れ、分かるんじゃないかな、何で此処に連れてこられてきた…とか、今は良く分からなくてもいずれは知る事に事になるだろうし、今はまだその時じゃないだけだよ」とハピープティは何やらまた意味深な言葉を言った。「あ、すっかり忘れそうになってたけど他の子達のところに案内してくれる?、敵対的じゃないなら会ってみたいな、それにある程度触れあっておくのも良いかなって」「うん、全然構わないよ!、よし、じゃあ行こう!」ハピープティはミラの手をぎゅっと引っ張り、と…後ろからぐすぐす啜り泣く声…ロンネスの声だ。彼は常に泣きじゃくるという性質を持つケースタイプの為に、そんなに珍しくもない光景だからか、誰も動揺しない。ミラもロンネスの事がある意味彼が泣きじゃくる赤ん坊のように思えて可愛がれている、そこでミラはそんなロンネスの頭をなでなで。すると、また余計に泣いた、どちらかといえばこれは嬉しい方の泣き声だ。ケース004は涙と啜り泣く泣き声で会話や意思疎通をしていると言っても過言ではないだろう。「ううう、うう、ぐすっ、ぐすっ…」ロンネスはてくてく歩いて、ミラの方へ近寄るのかと思いきやロンネスのとって心地よい場所、空間の隅に行ってちょこんっと座り、また啜り泣く。「座っちゃった…あ〜でも、これはこれでも可愛いなあー、何だか癒されちゃう、私も……こんな風に沢山可愛がられたかったな」とミラはロンネスの事を撫でながらまた思い更ける。やはりミラには何か複雑な事情が隠れているようだ。「もう、こんなとこで座ったらまた動かなくなっちゃうよ、ほら、そこは君の寝床じゃないでしょ?立って、行くよ?」とハピープティはロンネスに立ち上げるように言うと、彼はすんなり立って啜り泣きながらてくてく歩き始め、その様子を眺めながら、「何だかプティ、お姉ちゃんみたいで凄く微笑ましいなあー、子供がゲノムドナーって思えないくらいそ確りしてるんだね」ジバニウム【モンスター】である事には変わりなのだが…。「何時もプティはロンネスとかビュニスの世話をしてるの?随分扱いに慣れてるみたいだから」とミラは質問した。と、それに対してハピープティは自信満々げに、「うん!そうだよ、それにロンネスはまあ作られたケースナンバーの順で分かると思うけど、此処にいるジバニウムモンスターの中ではセノアドルの次に付き合いが長いからね、世話も手慣れたものだよ」とハピープティはドヤーっというような立ち振る舞いを見せる。と、そう言えば他のケースモンスターが居る場所が居る場所は何処なのか、そう思って歩いていると、とある文字看板が見えてきた、この幼稚園のジバニウムモンスターファミリーと書かれているようだ。この文字看板にあるように、此処で間違いないだろう、「ジバニウムモンスターファミリー…??、此処には複数居るって事…?」とミラはふと、そう思った。まあ、でもそれは目の前にある扉を開けてみれば良い話。「どんなモンスター似会えるんだろう…」胸を躍らせながら彼女はそっとゆっくり目の前にある扉を開ける…のではなく、コンコンっと扉を叩く。と、ガチャっと音を立てやってきたのは……それはまるで鹿のような角を持っていて、赤色というより、朱色に近い色のようにも見えるそんな体色をしているジバニウムモンスターだった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加