9回目の告白

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***  パパが出て行った後、私はベッドの上に仰向けに倒れ込んだ。  今日はいろんなことがありすぎて疲れた。  テストを受けたのが、遠い昔のことのように思える。  大の字の体勢で目を瞑る。  犬のことは思い出せないけど、確かに緑葉までひとりで歩いていった記憶がある。  遠くて、重たくて、私は途中から泣き出した。  ああ、そうか。  私はあの時、王子様に会ったのかもしれない。  朧げに、白くてキラキラした服を着た男の子が、私に向かって手を振りはじめた。  洸に会ったら、言おう。  疑ってごめんと。  私はずっと傷つくのを怖がっていただけだったと。    そして、好きだと伝えよう。  もう見返りは要らない。  私も一緒にいたいと伝えよう。  それから、洸の主張を聞こう。    次に会えるのは、土日を挟んで月曜日だ。  こんなに何かを待ち遠しく思うのは、初めてのことだった。 ***  けれど。  翌週、洸が高校に来ることはなかった。  ネクタイは、返せないまま、日ごとに私の鞄を重くする。
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