10回目の告白

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***  喫茶店で会計を済ませた後、店の前で洸と合流した。 「ごめん、待たせて」  洸が息を切らせながら言う。  洸は、家に荷物を置いてくるついでに着替えたようだ。  くすんだ水色のセットアップスーツになっている。 「何でそんなちゃんとした格好してるん?」  少しドン引きしてそう尋ねた。 「理乃ちゃんに釣り合う服が他になくて」 「そんな格好されたら、私が釣り合わんようになるやん」 「そんなことない。可愛すぎる」  洸が大真面目に答える。  私は、クリーム色のカーディガンに茶色いチェックのスカートという格好だ。  持っている服の中では可愛いのを着てきたけど、スーツにはとても太刀打ちできない。  ほんまに、変な人やな。  洸の服装については深く考えずに、とりあえず駅の方まで行くことにした。   「なんか、洸くん普通やんな」  歩きながら、さっきから思っていたことを言う。  1週間も高校を休んでいるようには見えない。 「がんばって普通に振る舞ってるだけだよ」  洸が笑って答える。 「本当はドキドキしすぎて倒れそうなのを、何とか耐えてる」  その、いつもと変わらない返しに、もはや安心感を覚えてしまう。 「そうゆうとこ含めて普通やゆうてんねん」  私がそうツッコんだら、洸は息だけで笑った。
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