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次に目覚めたところは、白いところだった。
ファンタジーの謁見の間のようなつくりではあるが、壁も床もすべてが真っ白で、左右上下の感覚がおかしくなりそうだった。
その王座の位置に、そいつは座っていた。
「あら?なんでいんのよ。要らないんだけど。」
一方的にそう告げてきたその人は光に包まれていて白いこの空間に唯一ある色のようだった。
「えぇっと。誰ですか?」
北兄ぃが困惑しながらもその人に聞いた。
「女神様よ女神様。チッ、仕方ないわね。こうなってはどうしようないのに。本当に余計なことをしてくれる。」
女神?女神ってそんな馬鹿な。あり得ない。
その時の私達の気持ちは状況がまったく分からない、で完全一致していただろう。
「いいこと?貴方達は所謂転生というものをしてもらうわ。
今まで貴方達がいた世界はもうダメ。あんなゴミでは使うどころか、もうどうすることもできない。
まぁ、あの世界の管理者がいなくなったのだから当然だけど。
それでもその世界にいた生命体には価値はある。
だから私達世界の管理者、つまりは神々で分け合いましょう。ってことになったのよ。
でも私にはそんなの要らなかった。
余計な異分子は無いに越したことがないわ。
だから要らないわって言ったのよ。
それなのに。チッ。あいつは本当にいらないことをしてくれる。
まぁともかくあんた達に帰ってもらうことはもうできないのよ。
あの世界は崩壊しすぎて下手に干渉できない。
だから仕方なく私の世界に落としてあげるから大人しくしていてくれない?
この世界は貴方達がいた世界より完璧で調和がとれた完全管理できた世界なのよ。
余計な異分子で穢されでもされるわけにはいかない。
はぁ、わかったわね?
じゃ、堕とすから。生きてればいいわね。」
は?ちょっと待て。
そう思う間すらなく、今度は急速な浮遊感に襲われ再び意識が刈り取られていった。
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