落下

1/2

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

落下

ザァーーーーー ん?何? たしか、女神って言ってる人がいて、それで、 ここ、どこだ? 薄っすらと目を開く。 「は、」 視覚を確保した私が見たのは、空。 加えてこの浮遊感は、真っ逆さまに落下している!? 夜の空を雲の隙間を縫って落下していく。 まずいまずいまずい! ここがどこだかは知らんが、このままだとマジで落下死だ。 それに2人の姿が見えない。 女神は転生だかなんだかと言っていたが、もし別々の場所に落とされたのだとしたら最悪だ。 それよりもまず、今の状況をどうにかしないといけない! しかしここから地面までの距離が分からない。 下を向こうにも凄まじい風圧が押し寄せてきて、碌に動けもしない。 そういえば落下しているのに押し潰されるような圧迫感がない。 不思議現象に遭遇したから体が丈夫になりましたってか? そんな馬鹿な。 否定は出来ないが、そんなあり得ない可能性に縋り付く気はない。 だから、私が持っている力でどうにかするしかないのだ。 探れ。地表はどうなっている? あの高度から落とされたのだとしたら海に飛び込むのだって危険だ。 鬱蒼としげる森に落ちたって死は免れない。 あぁくそ。 どうしようもない。 どんなに衝撃を吸収できるところに落ちたってこの高さからじゃ全てが意味をなさない。 地表の様子を探知しろ。それくらいはできないでどうする。 よしっ!見つけた。 水がある。大きな大河だろうか。 見つけたところでどうすることも出来ないが、 いや、今までの私だったら出来なかったが。 どーやらここに来て不思議現象遭遇の奇跡が起こったようだ。 一発勝負になるが失敗したってダメでも元々。 水を、操ってやろーじゃないの!
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加