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ほんの数秒前まで、あんなにも高いところにいたのに今は地面が目視できるくらいには落ちている。
そんな中私は目を閉じて、地表の水へ染み込ませるように意識を流し込む。
大丈夫。心配ない。
これくらいなら前にもやった。
ちょっと規模が大きいだけだ。
衝撃の吸収と安全な地面への着地。
イメージ通りに動いてくれるよう大河の水にお願いをする。
こんなことをしてもダメかもしれない。
なんせ今の私は隕石だ。
え、なんで生きてんだろうね。
しかし、今この状況でも生きている、という保証が背中を押してくれた。
大河の水が意思を持ったように宙へと盛り上がっていく。
次期にそれは天へと伸びる大きな柱となった。
それと同時に水は美香の着地予想地点全域を覆うように横にも伸びていく。
美香はぎゅっと目を瞑り落下の勢いそのままに背中から水にダイブした。
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