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超能力
私は、いや私達兄妹は、おかしな力を持って生まれた。
元の世界、地球にいた時から。
私の能力は物を操ること。特に水の扱いに長けていた。
雨を降らせることも止ませることも出来たし、水の気配を感じ取ることだって出来た。
それでも、私の場合は日常に支障はなかったし、力を使うような緊迫した状況も訪れなかった。
だから、こんな力なければよかったなんて思ったことはない。
幼い頃は水鉄砲や水球を作ってよく遊んでいた。
だけれど、能力を打算的に活用することはしなかった。
自分の力を嫌いになりたくなかったから。
力を使うことを強制される環境ではなかったから。
私達三兄妹の中では、私が唯一能力に悩まされなかっただろう。
どうやらこの不思議能力はこの家系に時々現れるものらしく、
ただ今代は3人全員覚醒と親族の中で大盛り上がりだったんだそうだ。
その能力がどうやら転生したことにより強化されたようで、私は見ずとも地形を理解できたし、巨大規模の水を動かすことも、ポルターガイストを引き起こすことだって容易になってしまった。
戦闘では役に立たなそうな能力だが。
転生といえば、女神っぽい人が言っていたこともよくわからない。
その前に皆と合流しないと。
考える余裕なんてないのに考え始めるとグルグルと思考してしまう。
だから罰が当たったんだろうか。
私の水中で気を失い、意識が暗転していった。
二度あることは三度あるってね。
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