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この世界の秘密
なんてことがあった日から、5年が経った。
まず、実はあの天空から落下した時、別にそのまま落っこちても私は死ななかった。
転生者へのギフテッドってところらしい。
らしい、というには、ある人からこれを教えてもらったからだ。
私たちは別々の場所に落とされても互いにそれなりには近いところだったらしくすぐに合流できた。
魔族領の中で。
魔族領。魔族、亜人などが住まう大陸だ。
彼らはこの世界のヒエラルキーの下層に存在する。
人族という上層部が魔族らを一つの大陸に纏めるようにして追いやってできたのがこの魔族領だ。
あの女神よくもやってくれたな、と思わなくもないが、初期スポーン位置としてはこれ以上ない最善だった。
どうやらこの世界に転生した転生者は私たちだけではないらしい。
そういう転生に詳しいギフテッド持ちが魔族領には複数いた。
中でも驚いたのが魔王様その人が転生者だったことだな。
初対面の時は白衣を着てソファにぐうたらしている幼女が魔王様と言われて脳がショートしかけた。
明らかなロリババアだったわけだが、魔族領を興したのが彼女だと聞いてさらに年齢を聞けなくなった。
私達に転生についての知識を教えてくれたのはこの人で、魔王様はたまにこの世界に現れる転生者を保護しているらしい。
いやでもね、なんかあの女神転生者入れなくないみたいな感じだったし、そんなホイホイ来るわけなくない?
と聞いてみたところ、転生者は不老不死らしい。
1番の新人でも800年は生きていると言われた。
?????
どーやらこの世界の女神様は世界の管理者としては初心者なんだとか。
それで転生者の能力値の設定をしておらず、馬鹿みたいな人外が誕生しているというわけだ。
空を飛ぶとか見た目を変えるとかお茶の子さいさいだと笑われた。
それでも私達のような元の世界の能力を引き継ぎ、更に強化されている事例には出会ったことがなかったらしく、強く魔王城に残ってくれと縋りつかれた。
実験台にされるモルモットの気分を追体験した。
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