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私達が転生したその日、魔王様の手により全転生者に伝達が走った。
この世界では滅多に転生者が現れない。
そのためその時には魔王様が新しい客人の来訪を知らせるのだ。
だから私達3人が転生したことは転生者であれば周知の事実だ。
転生者には、2つパターンがある。
この世界の究明に奔走する者。
この世界を見て周り知見を広げる者。
私達は紛れもなく後者で、この場合魔族領である程度の教育を積み、5年したら旅立つ。
エマさんからの勧めでまずは先輩転生者を頼りなさい、と言われた。
そのための印として髪を一房白く染めるのだと。
これは魔王様や転生した研究者達が作り上げた物で、転生者にしか認識できない塗料で出来ているから側から見ると普通の髪に見える。
しかし転生者からすると識別の印となる。
原理はとっても簡単で、転生者は目がいい。
それはもう6等星くらいならばっちりがっつり見えるくらいには目がいい。
スナイパーライフルをスコープ無しで使っているやつがいたらそいつが転生者だ。
まぁ、要はつまり。
私達が魔族領を去り、世界を巡る旅の始まりがもうそこまで迫っていた。
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