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「いや、それとんだハプニングすぎるだろ。いい迷惑」
家に帰って、司に今日の出来事を告げるとはぁーーーーっとでっかいため息をつく。
「ごめんな、あんな弟を持ったばかりに」とあたしに心底申し訳なさそうな顔をする。
「司はわるくないでしょ。ただ、あっちは本気みたいだからどうにかしないとだよ」
「いつかこうなる気はしてたんだよ。いままでの女の子たちが物分り良すぎただけだって」
後腐れなく終わった女の子たちばかりだったから後から「あの萩田徹の双子の兄と寝たんだよー」って声が聞こえてきたりはしていた。
徹は今をときめく人気モデルをしていて、そんな徹の双子の兄は遊び人で徹は全く真逆の清純派って言われてる。
「別に優芽以外になんと思われても良かったからいい加減にしろよーくらいにしか言ってなかったけど今回ばかりはさすがにやばいな。俺はこんなに一途だって言ってやりたい」
そう言ってあたしの頭を撫でる。
「まずはあいつに説教だな」
スマホを耳に当ててすぐに出た片割れに「お前、今すぐ家に来い」ってめちゃくちゃ低い声で言ってる。
「めっちゃ怒ってるじゃん」
「そりゃ愛する彼女に矛先向けられて怒らねぇやつはいないだろ」
一途にあたしを見てくれる瞳にはほんわかな気持ちになる。
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