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「どうしたん、なんかめっちゃ声怖かったけど?お、いたんか」
深く被っていた帽子を抜いで、部屋に上がってくる徹。
電話で司の不機嫌さは伝わっていたようだ。そして、あたしを見つけてふっと笑う。
「お前が遊んだ女が俺の女に別れて欲しいって言いにきたんだけど?」
「は?誰や」
色んな女の子と関係を持ってるから徹にはすぐに誰かは分からないようだ。
「ほら」
あたしは、彼女に見せられた写真を徹に渡す。
「コイツか……」
「お前さ、何回やめろって言われたらやめるわけ?お前の職業的にバレたくないのはわかるけど、なら女遊びやめろ。俺だけじゃない、俺の女にまで迷惑かけんなよ。アホ」
「……すみません」
ド正論をかましてくる司の前にしゅんと頭が下がっていく徹。
まぁ、これはいつものことなのでどうせすぐにケロッとするのは分かっている。
「女遊び辞める気がないなら、もういっそそういう方向性で売れよ。もう俺を使うな」
「女遊び、やめてもいいよ」
「やめれるならやめろよ。その方がいいだろ」
「じゃあ、優芽ちゃんちょーだいよ。そしたらやめる」
「は!?「へ!?」
突然の徹の言葉にあたしと司の開いた口が塞がらない。
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