13人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも話してるうちに俺が優芽のことを好きになっちまって。徹からハッキリと好きだと聞いたわけじゃなかったから、俺は徹の気持ちを気づいてないフリをしたんだ」
少し俯きがちに話して「ごめんな、徹」って謝る。
「俺がウジウジしてるうちに司と優芽ちゃんが仲良くなってて、あげく付き合いだしたって聞いて。そうか、司の彼女になったなら諦めないとなって。でも、司の彼女なら俺にとっても近い存在でいれるってそれでいいかもって思ってたんだ」
今度は徹がポツリと話し出す。
こうしてみるとやはり司と徹は似ている。
「でもさ、やっぱり好きは好きなんだよ」
「どうしてそんなに……」
司と付き合う前に徹と話した記憶もあまりなくて、好きになって貰えるような気がしない。
「優芽ちゃんだけなんだよ、最初から俺を俺としてみてくれたの」
「……？どういう意味？」
最初から司は司だし、徹は徹だ。
それ以外なんて有り得ないからあたしは首をかしげる。
「好きになった理由まで一緒かよ」
今度は司がフッと笑う。
「優芽はさ、初めから俺と徹の見分けがついたんだよ」
「……意識したことはないけど、間違えたこともないかもね」
最初のコメントを投稿しよう！