古生物学者の話

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古生物学者の話

 皆さんは恐竜をご存知でしょう。  特に白亜紀やジュラ紀に活躍した巨大恐竜たちの物語はいつも我々をワクワクさせてくれます。ロマンなんですよ、恐竜という存在は。  何故我々は彼らにロマンを感じるのか。それは彼らがとてもミステリアスな存在だからです。  その最大の疑問、それは『あまりに大きすぎる』という点にあります。  今から9000万年前に生息していたとみられるアルゼンチノサウルスで言うなら、その体重は100トンに迫るとされています。動物園で皆さんが眼にする巨大なアフリカゾウですら5トン前後ですから、その大きさ、重さは異常です。はっきり言って『ありえない』んです。  何があり得ないのかって?  重すぎて4足歩行が難しいんです。何しろ1本の足で25トンという途轍もない荷重を支える必要がありますし、背骨がその重さに耐えられない……はずなのです。また、その異様に長く伸びた首や尻尾をどうやって支えていたのか、その謎が全く分かりません。吊り下げるのに必要な骨が無いのですから。  不自然といえば、恐竜の代表格であるティラノサウルスのような獣脚類もそうです。  彼らは5トンを超える体重を2で支えて走っていた。言うなればアフリカ像が2足で疾走するようなものです、まったくもって考えられない。あまりに不安定すぎるのです。  何故彼らはライオンやチーターのような四足での歩行を選択しなかったのか? しかもそれが悪条件ではなかったからこそ、彼らは繁栄できたわけです。  こうしたある種の不自然さは古生物全般に言えることです。  白亜紀に生息したケツァルコアトルスという翼竜は長さ11メートル、体重は100キロを超える巨体だった。  11メートルって分かります? あのコンドルですら最大で翼幅は3メートルにすぎない。その4倍近い超巨体の鳥です。ああ、ヒッチコックですらびっくりですよ。   当初、この翼竜はあまりの巨体さ故に『飛べない』か『滑空専門』かと思われていた。だが、研究が進むにつれて彼らが大空を羽ばたいていたことが分かってきました。しかし何故この巨体で飛翔が可能だったのか、現代の生物学では解明できていません。    他にも、古生物には巨体なものが多い。トンボの一種は現代の鳥よりも大きかったと分かっていますし、草原に生い茂る樹木も今より遥かに巨大だった。  現代では絶対に無理なこの問題を解決する方法はひとつしかありません。  そう『昔は重力が今よりも軽かった』という可能性です。無論、何の証拠とてありません。だが、傍証でよければ吐いて捨てるほどもある!    今回のような『地球軽量化』は、地球史にとって決して珍しくないことなのかも知れません。  ならば――。
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