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知人の魔術師の昇進祝いで、立食パーティーに招かれた。給仕が運んできたフィンガーフードは、鯛・大根・トマトのミニカルパッチョだ。口に入れると、トマトの甘酸っぱさ、鯛の繊細な旨味、大根のみずみずしさが調和する。
「この料理にはヒトガタ大根を使っております」
給仕によると、動く野菜として有名なヒトガタ大根の身体は、きめ細やかな繊維とザクザクの歯ごたえが楽しめるそうだ。すっきりした甘みがあり、生食にも良いんだとか。この料理に使われているヒトガタ大根は特注品で、音楽に合わせて踊りながら生長したらしい。なるほど、どうりで自然と身体がリズムを刻むわけだ。見れば、周りの参加者もみな、軽やかなステップで踊っていた。
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