救世主

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 卒然、鼓膜を揺らす柔らかな声――もう、随分と聞き馴染みのある声。……えっと、どうしてここに? そもそも、どうやって―― 「……なんで、ここに……あと、どうやって入ったのかって表情(かお)だな、逢糸(あいと)」  すると、僕の思考を読み切り尋ねる眉目秀麗な男の子。そして、 「……さっき、お前の両親(おや)と会ってな。なんか、随分と派手な格好してたが……大方、パーティーにでも行く途中(とこ)だったんだろ。それで、鍵を貸してもらったんだ」 「……そ、そうなんだ」  そう、何とも朗らかな笑顔で告げる美少年。まあ、は何となく察せられるけど……うん、ほんとすごいね瀬那(せな)くん。  
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