……うん、ほんと自分でも――

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 もしかしたら、本当に彼が訴えられて――そんな恐怖がずっと胸中を巡っていたし、今だって僕の胸を締め付けている。自身の行動を省みた上で、訴える方が危険(リスク)が高い――今のところ彼女からの訴えがないのは、恐らくそのように判断してのことだと思うけど……それでも、油断はならない。僕のためとはいえ、瀬那(せな)くんが晴香(はるか)さんに暴力を振るってしまったのは事実。なので……もしも、彼女がなりふり構わず訴えるようなことがあれば、多少なりとも瀬那くんが罪に問われる可能性も――  だけど……もしもそんなことになったら、流石に僕も黙ってない。クラスメイトの、校内の、世間の知るところとなっても構わない。瀬那くんのためになることなら僕はなんだって話すし、なんだってする。それこそ、代わりに僕がその罪を負い刑務所に入ることだって……なんて、きっとどれだけ願ってもそればかりは無理なんだろうな。  
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